フリーソフトだけを使った長時間DVDのオーサリング作業まとめ
友人から「昔一緒に出た音楽イベントの模様を撮影した動画ファイルがあるんだけど、これを一般的なDVDプレイヤーで視聴できる形式のDVDにしてほしい」といったことを頼まれたのでフリーソフトだけでやってみました。
結論からいうと、フリーソフトのDVDオーサリングソフトウェアの選択肢はいろいろあるものの、自分の使用目的ではDVD Stylerでしか正常なDVDを作成できませんでした。
DVDのオーサリング作業というのは時間がかかるので、出来れば失敗したくないものです。なので、発展途上のフリーソフトを利用するよりも、定評があり信頼性の高い有料のソフトウェアを利用する方が、現段階では賢い選択なのかもしれません。(ちょうどお仕事で代替のフリーソフトがあったとしても有料の製品を使わざるを得ないシーンがあるように)
元データの仕様
元データは、昔大学で開催した音楽イベントの模様をデジタルビデオカメラで記録したもので
- 動画部分
- MPEG2-PS 9000kbps
- 音声部分
- MPEG1 Layer-II 48khz 224kbps
- 記録時間
- 6時間弱
- 記録容量
- 12GB程度
とそれなりに高画質・高音質・長時間・大容量なデータで、これをいかに品質を保ったままDVDとしてオーサリングするかが課題です。
チャプター分割
私が把握している限り、フリーソフトのDVDオーサリングソフトで利用可能なチャプター分割機能は、どれも任意の再生位置では分割できず「動画ファイルごと」もしくは「n分おき等間隔で」といった方式でしか対応していません。そこで、元の長い動画ファイルから出演団体ごとの動画ファイルとして切り出してやる必要があります。このための要件として、
- 動画をプレビューしながら切り出し開始時間、終了時間を指定できる
- 動画切り出し時に再エンコードせずコピーに対応(画質・音質の劣化を避けるため)
といったことが必要でした。こういった要件を満たすフリーソフトは意外と無くて、私にはAvidemuxというフリーソフトしか見つけられませんでした。なのでこれを使ってチャプター分割作業を行いました。なお、このAvidemuxというソフトは動画形式の変換をサポートしているので、元データがDVDオーサリングソフトで直接読み込めない形式だった場合、Avidemuxで変換するのも有効だと思います。
記録メディア選定
記録メディアをどれにするかは迷いましたが、片面2層で8.4GBお記録容量があるDVD-R DLを選びました。理由は4.7GBのDVD-Rを選んだ場合
- 再生品質を保とうとすると3枚程度のディスクに分割して記録する必要があり、入れ替えの手間がかかってめんどくさい
- 6時間弱の動画を無理やり片面1層のDVD-R 4.7GBにまとめると、再生品質が低くなりすぎる
というデメリットを、8.4GBの記録容量があるDVD-R DLだとある程度緩和できると考えたからです。DVD-R DLの互換性に若干心配があります。しかしいろいろ調べたところ、最近のDVD再生機器ならほぼ大丈夫なようです。
DVDのオーサリング
DVDオーサリングソフトのうち以下の要件に合うものを試しました。
以下、この要件を満たすフリーソフトのDVDオーサリングソフトを試した順番に、ダメだった理由を箇条書きしていきます。
DeVeDe
- 出来上がったDVDイメージにおいて、各シーンの終了3秒前に謎のチャプターが作成されるバグあるいは仕様に遭遇し、回避方法分からず
DVD Flick
- 読み込む動画データの形式によっては、作成したDVDの映像と音がずれるバグがあるらしく、それに遭遇して解決方法分からず
DVD Styler
- 「対象とするDVDの最大記録容量と入力映像データの再生時間を考慮してエンコード品質を調節することで、DVDの最大記録容量ぴったりに収める機能」が、入力画像データの形式によっては初期状態で無効になっている
- 動画ファイルの読み込み設定を「コピー」から「NTSC 720x480」に変更することで本機能が利用可能になりました
結局最後に試したDVD Stylerで無事DVDをオーサリングできました。不要な部分をトリミングしたら5時間強程度になり、それをDVD-R DLに焼きこんだのですが、元の動画データとそれほど遜色ない品質で仕上がりました。