研究者がこの先生きのこるには?

院試の季節ですね。このダイアリの読者の方に大学学部4年生や修士1年生がどのぐらい居るのかはわかりませんが結構いるような気がしています。
ところで最近大学の生協で

科学者として生き残る方法

科学者として生き残る方法

という本を見つけて購入しました。まさに今の私のためにあるような本です。海外の理工系大学院に勤めていらっしゃる研究者2人(新進気鋭の若手研究者と、この道何十年のベテラン研究者)が書いた本で、2008年6月8日出版とあるので、かなり最近に出版された本です。アマゾンにもまだレビューがありません。(元となった英語版であるSurvival Skills for Scientistsの方にはレビューがあります)
こういった、学部4年生〜大学院生向けの大学院入試や研究への取り組み方に関する本は、今までに何冊か出版されていて、私も学部4年生の前期あたりに理工系のための大学院の歩き方やその他の本を読んだりしていたのですが、この本はその先(修士課程〜博士過程〜ポスドク〜アカデミックポスト)を対象とした本です。目次はこんな感じで、結構興味深そうなトピックが多いです。たとえば

6・2 R君の修士論文での悲惨きわまりない経験(強調はid:y_yanbeによる)
(英語版: 6・2 R.'s near-fatal M.Sc. experience)

とか。研究室生活に書かれた本において、こういう風に失敗から学ぶアプローチはあまり無い気がします。(この訳は面白いなぁ)
今から読むのが楽しみです。
大学院入試経験者として思うのは、この手のノウハウは重要な割にあまり共有されていないということです。十分な情報をつかんだ状態で研究室選びや院試に臨む学生は多くなく、少なくない人が情報不足のまま、もしくは情報に翻弄されて進路を選んでる気がします。そして、そのうちの一部には、上記のような悲惨きわまりない経験が待っているのかもしれません。でも、だれも悲惨極まりない経験などしたくはないはずで、これから院試に臨む学生に危機感をあおりたいわけではないのですが、それだけ研究室(指導教官)との相性は重要だということです。ちなみに私は割と上手くいってる方だと思っていますが、ネット上のいろんな方のブログをみると、苦労している方も多いようですね。。
現在修士1年で博士課程に進もうかどうか迷っている方も参考になりそうなので、進路に悩む院試生の方は購入を検討してみてはいかがでしょうか。何か自分の中で方針を決める一助になるかもしれません。